免震工法の「3つの機能」

目玉焼きを作る時、フライパンを揺らしても卵はフライパンの上を滑って、一定の場所から動きません。このように、フライパンの上に家を建てるのが「Noah System」です。実際には、家の下にフライパンと同じ材質のフッ素樹脂加工した鋼板を敷き、その上に建物を建設するというもの。これまでの免震工法に比べて約半分の、300万円前後で実施が可能です。支持機能：柱下にフッ素加工したすべり材を設け、その圧縮強度で支持減衰機能：そのすべり材とコンクリート基盤上面に設置したフッ素加工したすべり鋼板間の摩擦で減衰復元機能：復元ゴムを設置、家屋を元の位置に戻す

日本建築の伝統構法

「Noah System」は、日本古来の伝統構法である「石場建て」を現代に再現したもの。「石場建て」とは、柱が石の上にただ乗っているだけのもので、現代の基礎構造のようにアンカーボルトで地面と完全に固定されていないので、地震が起きた場合、柱が基礎の石の上を滑り、地震力を上屋に伝えず振動を低減させる役割を担ってました。現実に、安政の大地震の時に「家は移動したが潰れずに家族が助かった」という記録も残っています。これこそが、地震国日本における「先人の知恵」による理想的な建築構法なのです。

実証実験による効果の確認

千葉県船橋市にある「日本大学理工学部船橋キャンパス内大型構造物試験センター」所有の「多入力振動試験装置（二軸振動台）」で、実証実験を実施。その結果、地面の揺れに対して加速度で約3分の1に揺れが減少することを確認しました。